自己破産したら年金はどうなる?もらえる?

自己破産したら年金はどうなる?もらえる?

自己破産と年金

 

自己破産をした場合に、年金の扱いがどうなるかということについてお話をいたします。 

 

高齢の方で、もうすぐ年金を受け取る、もう今、年金を受けているといった方々が、いろんな事情で自己破産をしなければならないというようなことは、よく見られるところです。

 

その場合、一番心配なのが、この年金を受給する権利、これも破産をすることによって、なくなってしまうのではないか、ということです。

 

相談者の方で、そういったことを相談される方もたくさんおります。 例えば、公的な年金ではなくて、個人的にかけている民間の保険のようなものにつきましては、解約金相当額が20万を超えるような場合には、その保険を継続して、将来年金的に受け取るといったようなことが難しくなります。

 

保険を解約して現金化しなければならないということがあります。 また、退職金の場合も、退職金を将来もらえて、今はもらえないからといって、全くその退職金についてお金を払わなくていいということにはなりません。

 

退職金を将来もらえるということになれば、その8分の1は財産と見なすというのが現在の裁判所の扱いです。

 

それでは、年金についてはどうなんでしょうか。年金も掛け金というのをずっとかけていた上で、それで将来的に年金をもらうということになりますと、例えば退職金も給料の後払いといった性格がありますし、民間の保険の場合も掛け金をかけて積み立てて、その解約返戻金あるいは将来の給付といった関係にありますので、自分で掛け金をかけているといった意味ではこれらのものとあまり変わらないかとも思えます。

 

そこで、将来の年金についても、何分の1かを裁判所に出さなきゃいけないとか、あるいはもらえなくなるとか、そういった心配をされるかもしれません。 しかしながら、現在の実務の扱いでは、年金については自己破産をしたからといって将来の年金がもらえない、というわけでもありませんし、将来もらえる年金の何分の1かを裁判所に差し出さなければならないといったこともありません。

 

といいますのは、公的な年金というのは掛け金に応じて必ずもらえるといった類いのものでありません。掛け金は一つの条件でしかなくて、そのときどきの経済情勢によって、年金の額というのは変動する可能性があります。将来、少子化が進んで高齢者が増えるとなると、果たして年金というのが、今のように順調にもらえるものかどうかというのは、非常に危ういところもあります。

 

そういったこともあって、年金というのは一つの社会政策でありますので、その年金の一部について、破産したからといって裁判所に差し出すといったような扱いは、現在はされておりません。

 

ですから、現在年金を受給している、あるいは近い将来年金を受けるといった方々も、そのことは頭に置かずに自己破産手続きを進めていくといったことが可能になります。

 

ちなみに年金は差し押さえ禁止ということですので、債権者も破産にならないからといって年金を差し押さえるといったこともできない、といったこともあります。

 

このように年金の受給権というのは、強力な個人の必要不可欠な権利として守られているといったことは頭に置いて、自己破産あるいは債権者との交渉等をするといいかなと思います。